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街金で借りるときも「限度額」って関係あるの?

お金を借りる際に「限度額」いっぱいで借りれなかった、という話をお聞きになったことがおありでしょうか?特にいわゆるカードローンから融資を受けておられる方々がよくおっしゃいます。では、街金から借りようと思う場合にも、この「限度額」って意識しておく必要があるのでしょうか?言い換えると、街金から借りるときも限度額を越えてしまって、お金が借りれなくなる、ということがありうるのでしょうか?(参考ページはこちら→お金が借りられなくなる原因を探る

まずは「街金」とはなんぞや、ということをきちんと理解

「街金」という言葉は以前に比べると使われることが少なくなったような気がします。一つはその言葉に対するイメージがあまり良くない、ということです。「街金」「サラ金」といった言葉は、一昔前の個人向け融資を行う貸金業者のことを思い起こさせます。「サラ金地獄」なんていう言葉が流行った時代です。(参考ページはこちら→サラ金と街金の違いって?

しかし、その後、そうした貸金業者の貸し過ぎという問題が指摘され、除々に法的規制が厳しくなり、今ではいわゆる「街金」は激減してしまったと言われています。

例えば、街金のピーク時の数は全国でなんと47504件、単純計算しても、各都道府県ごとに1000件もの街金があったことになります。日本全国の個人も零細企業もお金を回すことに必死になっていた時代という事情もあるでしょうし、それだけ法的規制が緩くて、簡単に貸金業を営むことができたんですね。

しかし、平成23年以降、現在までは2000件ちょっと、ピーク時と比べると約25分の1に減ってしまったことがわかります。この約30年が街金にとって試練の時代であったかがお分かりいただけるのではないかと思います。

ここでいう街金とは、個人向け無担保ローンを行う業者のうち、中小の業者を指し、顧客は地元の人々を主にターゲットにしている会社のこと を指します。つまり、銀行はもちろんそこには入りませんし、大手の銀行系のカードローンやCMなどで有名なアイフルやアコムといった全国規模の消費者金融も含みません。(参考ページはこちら→待ちきんの定義について解説

人によっては、あるいはサイトによっては、銀行系カードローンや全国ネットの消費者金融も「街金」に含めていますが、「街金」はあくまでも「街」に根ざした貸金業者であることから、ここでは除外して話を進めたいと思います。

「限度額」って何なの?

さて、次にはっきりさせておく必要があるのはお金を借りる際の「限度額」って一体なんのか?ということです。

上にも少し触れましたが、主に「限度額」があるのはカードローンです。カードローンとは前もって、限度額を決めておいて、その枠内で貸し借りを繰り返すシステム なのです。

これはより専門的な言葉を使うと極度額を設定した消費貸借契約といえます。どういうことかというと、お金を借りる際にはその度ごとに契約をいちいち締結するのが原則です。例えば今日5万円借りたいなら、この5万円という借金に対して契約を結び、明日3万円、明後日1万円借りるなら、それもいちいちそのたびごとに別途契約締結をする、それが基本なんですね。

しかし、そんなことをしていたら不都合が生じます。このスピードが求められる時代に少額の借金をするためにいちいち契約を結び直すのは、取引に支障が生まれる可能性があります。また、そうした面倒くさい手続きを借りる人に要求していたら、貸金業者も顧客を失ってしまいます。

それで、

前もって限度額を決めておいて、その限度額内では、お金の出入りは自由にして良いですよ

というのがカードローンなんですね。

その分、カードローンの審査は厳格にします。例えば、審査の時点では月収100万円の方に、限度額300万円でのカードローン契約を締結したとしても、その月収がいつ減るかわかりません。一般的に、カードローンは無担保なのが原則ですから、相手の収入だけが頼りです。

もし、カードローンを借りたい、という人がすでに他から借金を重ねていたり、また別のところで借金の返済を怠ったことがあるようなら、カードローンの審査に通ることは難しいでしょう。貸金業者はそうした人から回収することができないのでは、という不安を覚えます。カードローンでもっとも歓迎されるのは、どこからも借りたことがない「はじめての方」というのはそういうことなのです。

さて、問題は街金にはこうした限度額があるのか、ということです。もし、街金に全国ネットの消費者金融を含めてしまえば、カードローンも取り扱っているため、「限度額がある」ということになるでしょう。

しかし、街金、つまり地元に根ざした小規模の貸金業者のうちで、カードローンを商品として扱っている会社はほとんどない、というのが現状です。

それはなぜか?それは、銀行や大手のカードローンで借りれなかった人たちが最後の砦として街金に流れてくるから です。そうした人たちはすでに他からの借金を重ねていたり、返済遅滞をしていたりする人たちです。

では、そんな人たちに限度額を設けて自由にお金の出し入れを許すのか、というと、そんな危なっかしいことは街金はするはずもありません。ですから、街金にはカードローンで使う意味の限度額は通常は設けられていない、ということになります。

街金では別の「限度額」に注意!

さて、個人が借りることができる借金の限度額、という意味では上記で述べたのとは別の意味の「限度額」があることにも注意しましょう。

それは貸金業者なら逃れることができない「総量規制」という制度です。

これは、数年前に改正された貸金業法で定められた制度なのですが、いわゆる貸金業者がある個人に貸すことができる融資額は、年収の3分の1に限られる、というものです。

そして、これは当たり前のことですが、1社からの融資額ではなく、複数社からの融資額の合計によって判断されます。この制度によって、貸金業者の貸しすぎを防止し、債務者の借り過ぎによる自己破産などを回避する目的があります。

この総量規制が施行されたことによって、多くの貸金業者が銀行の子会社となりました。かつての大手消費者金融の代表格、アコム、プロミス、アイフルなどもすべて銀行と締結し、名前は残していますが、「銀行系カードローン」となり、この規制を逃れたわけです。なぜなら、銀行はこの「総量規制」の対象外ですから。

街金はどう転んでも貸金業法の対象内ですから、この総量規制から逃れることはできません。ですから、ほかからすでに借金を重ねている方は、借金の合計額が自分の年収の3分の1に収まるのか、ということを検討せざるを得ない ということを覚えておいてください。

街金で借りる際には限度額以外にも注意することがある

以上の点をまとめてみますと、

  • 街金はカードローンのような限度額はないのが普通
  • 総量規制の規制内なので、借り入れの合計額が年収の3分の1を超えていないか注意する

ということがお分かりいただけたかと思います。

最後に一つだけ、街金でそうしても気をつけていただきたいことがあります。それは街金もそれなりのリスクを背負って融資をしますので、借りる際の金利がどうしても高くなるということです。

銀行の金利はもちろん、大手の消費者金融よりも金利は高めであることは認識しておきましょう。その上で、借りたお金をきちんと返せるかどうか計画を立ててから、街金を利用するようになさってください。(参考ページはこちら→融資の返済計画はどうするべきか

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